●白く美しく、そして強い
ヒノキは、その白くて光沢のある木肌が神を祭るのにふさわしい清浄感を醸し出しているため、神社仏閣に広く使われてきました。日本書紀の神代の巻に書かれたスサノオノミコトの説話にも「ヒノキは宮をつくる木に良い」と書かれています。神社仏閣は、長い年月持たせることが重要なので、耐久性に優れたヒノキが大切にされたわけです。実際、ヒノキの心材部分は、シロアリや木材腐朽菌に対してとても強いことが知られています。世界文化遺産の法隆寺を1300年支えてきた実績からしても、日本を代表する木で、世界にも誇れる木であることは間違いありません。
日本の木造の伝統文化を実証している木で、世界で最も優れた針葉樹とも言われています。 |
●高級木材の代名詞ですが
ヒノキは昔から宮殿や神社仏閣に使われてきたため、一般庶民はあまり使うことのできない木材でした。そのため一般庶民には縁の遠い木でしたが、第2時大戦後ぐらいから一般にも出回るようになり、積極的に植林も行われるようになりました。
現在では蓄積量も多くなり、安定供給もできます。天然林でなければ、決して手の出ない材ではありません。しかし、スギと比べると成長が遅いため早く切ることができず、その分時間はかかるし手間もかかります。ヒノキの割高は、こんなところから生まれているようです。また、材が高品質で、日本の伝統建築にも多用されているので、高級感を演出しているのかもしれません。
ヒノキの和名は火の木から来たものといわれている。つまり、火を起こせるほど良く乾燥していて狂いも生じにくいということ。この特徴は、乾燥材を使うことが基本の建築物には最適なのです。
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